CASE STUDY:2025.04.13

「Mobile SS Listening bar」街に現れる“電気のオアシス” 移動式リスニングバー

プロジェクト誕生 — MINIとMobile SSの出会い


東京の夜を軽やかに巡るポップアップリスニングバー「Mobile SS Listening bar」。
それは、1977年製のMINIクラブマンをバー仕様に改造した「minibar MIDORI」と、移動式ソーラーステーション「Mobile SS」が融合した、音と電気のサステナブル実験です。
都会の片隅にぽっと灯る“緑のミニバー”は、オフグリッドな未来の社交場を体現しています。


 

東京のストリートに突如現れる“緑のオアシス”

minibar MIDORI オーナーが、譲り受けた1977年製のブライトグリーンのMINI Clubman Estate。
このクラシックカーを「東京を巡るモバイルリスニングバー」にしたい──そんな発想からプロジェクトが始まりました。
そこにMobile SSのテクノロジーとサステナブル思想を掛け合わせた新しい都市実験へと発展。
MINIはミニバーに、Mobile SSはリスニングルームへ。
異なる時代・ジャンルの“移動体”が融合し、Mobile SS Listening barという文化装置が生まれました。

神出鬼没の活動スタイル

Mobile SS Listening barは週に1度、恵比寿・桜新町・神保町など東京各地に突如現れるモバイルバーとして活動中。
レコードやCDをかけ、時にはDJとともにリミックスを披露。来場者は、MINIの横やMobile SS内部でドリンクと音楽を楽しむことができます。
2025年1月に始動し、Instagramで出現スケジュールを公開。2025年7月には代官山蔦屋書店でのイベント「MIDNIGHT CRUISE 2025」への出店も予定されています。

車両構成とサウンド設計

Mobile SS Listening barは、MINI Clubman EstateMobile SSの2台で構成されています。

▪️ミニバー:MINI Clubman Estate

MINIの後部座席をカクテルカウンターに改装。アクリル板のフラップ式リアウィンドウから、田中氏が選ぶ個性豊かな酒が提供されます。
代表的なのはイタリア産オーガニックジン「ENGINE」──エンジンオイル缶を模したボトルが印象的な一杯です。
運転者へのアルコール提供は行わず、音楽を肴に静かに酔う時間を届けます。

▪️リスニングルーム:Mobile SS

牽引式のオフグリッドトレーラー「Mobile SS」は、リスニングバーの“心臓部”。
内装はミニのハンドルカラーと同じミドリ色の木製パネルで統一され、数人が入れる密閉空間に真空管アンプを搭載。
小松音響研究所のサウンドエンジニア小松氏制作によるオリジナル真空管アンプを中心に、ラウンドしたトレーラー車内の空間に共鳴するよう各種音響機材を選定、ユニークな音響空間を生み出します。
ジャズ、映画サントラ、テクノなど、多彩な音源が壁面に並び、アナログレコードの温度を体で感じることができます。

都市の“オフグリッド実験”としての意義

Mobile SS Listening bar はただの移動バーではなく、オフグリッドな社会実験でもあります。
Mobile SSの屋根に設置されたソーラーパネルが電力を供給し、バッテリーに蓄えられた電気で音響システムを稼働。
電力消費は全体の約1割に抑えられ、まさに「電気のオアシス」として機能しています。

「都会の真ん中で、自然エネルギーだけで成り立つバーを。」
チームの実験精神が、Mobile SS Listening barの根底に流れています。
路上に流れる音は、未来のサステナブルな都市ライフの“プロトタイプ”です。